
2026年になりました。
今回は特別に合併号(2025年12月+2026年1月)です!
本当は仕事が忙しく書く時間が取れなかったためですが…
えー、まずは12月の話から。
12月と言えばEpic Megagrantsの結果が発表されましたね(されました)。
今回3回目の挑戦となったHotch Potch Houseですが、肝心の結果は…
下の方に書きました。
今回の項目は以下の通り。
そうそう、今月から目次がつくことになりましたよ。
もちろんクリックするとその項目にジャンプします。いいでしょ。
●State Treeに乗り換え
●コリジョンの大改革
●共有リグの制作
●MegaPlants
●そのほか
●今後の計画
●State Treeに乗り換え
いつから話しているのかという感じではありますが、ついにAIロジックのStateTree(以下ST)乗り換えが完了しました。
思っていたのより3倍スムーズに完了しました。
ざこ敵のロジックは以前に別のプロジェクト用に作ったものを移植し、ボスは新しく作り直しました。
STの何がいいかといえば、なんと言ってもきれいに整ったUIでしょう!わーきれい。

個人的にゲーム作りでは整理整頓がとにかく重要なので、この変化はとても大きいです。
専用のデバッガーが追加されたおかげでデバッグも簡単になりました。
もっとたくさんトラブルが起きるものと、やる前からしょんげりしていましたが、ほとんど問題なくスムーズに移行することができました。本当にありがとうございました!(天に)
ただ、現状かなり柔軟性の低い作りとなっており、そこは大いに改善の余地がありそうです。
そのためにはまずどんな敵がいてどんな動きをするのかある程度固める必要があるので、色々スケッチを描いてアイデアを練っています。

現時点ではあまり見せられないので、発売後の楽しみにしておきます。
それと少し技術的な話に触れると、STに変更したことで個人的にハッピーなのはGameplayTagによってEventを発火できることです。
BehaviorTreeの時は(僕の知る限り)他に良い方法がなくしぶしぶDispatcherを使っていましたが、これだとハードリファレンスが必要となりモジュラー性が落ちてしまいます。
まとめるとこういうことになります↓

ちなみにボスはかなり前に作ったこいつです。いよいよ出番が来て本人も心なしか嬉しそうです。
●コリジョンの大改革
大化の改新、墾田永年私財の法、コリジョンの大改革。
プロファイル設定などもさることながら、この改革の圧倒的メインはカメラコリジョンです。
ずっとやらなくては思いつつ(めんどくさそうなので)無視してきた課題でしたが、まるでこぐまに脇腹をぐいぐい押されているかのような執拗なプレッシャーに耐えきれず今回の改革となりました。
UE5のカメラコリジョンはデフォルトの状態だとすごくがたつきがありとても快適にプレイできないのは皆さんご存知の通り(?)ですが、とりわけハッチポッチハウスのような狭い場所にものがたくさんあるゲームでは致命的にストレスフルです。
これまではこの動画にあるようにSpring Arm2個とLagによってスムーズに移動させる方式をとっていて割と満足していたのですが、ある時点から色々な問題が出てくるようになりました。
新ロジックはそれらの諸問題からの解放を目指し導入されました。
参考にしたのはHogwarts Legacyのカメラシステムです。
近づく時は普通の動きですが、遠ざかる時はキャラかカメラが動いている時だけゆっくり移動するようになっています。
言葉では分かりづらいので、とりあえず作ったものをお見せしましょう↓
…動画でもわかりづらいかもしれませんね。
プレイすれば直ちにわかるのですが、抜群にストレスが軽減されます。
それからカメラがオブジェクトにオーバーラップした時の挙動も新しくしました。
例えばえんぴつなど棒状のオブジェクトがカメラを防いでしまうと、カメラが前後に高速で移動することになり快適なプレイの妨げになってしまいます。
なので細長いものや小さいものはカメラが無視するように設定すればいいのですが、これだとカメラがオブジェクトの中に埋まってしまいます。
この問題を解決すべく、この動画を引っ張り出してきました。
偶然ですがHogwarts Legacyの開発者のトークです。
開発初期に見て以来ずっと参考にしてきた大変すばらしい動画ですが、カメラコリジョンについての説明がずっと謎のまま残っていました。

“解決法:Overlapを使う”と書いてありますが、Overlapにしただけではやはりカメラが棒の中に入ってしまいます。
動画内で具体的なロジックの説明がないので自分で作るしかありません。
実際にできたのがこちら↓
と、こんな感じでカメラの挙動をまるっと作り直したわけですが、やはりなかなか大変な作業でした。
ロジック自体は結構シンプルなのですが、毎フレーム計算しているのでデバッグが難しかったですね。
ある時点で計算は正しいはずなのに、なぜかあるべき位置から微妙にずれる問題が発生し、これに一番時間を取られました
諸悪の根源がSpring ArmのSocket Offsetだと判明し、ただちに取り押さえました。お縄。
そのあとはスムーズに進みました。めでたしめでたし。
●共有リグの制作

NPCのロボットを作りました。
すでに存在はしていたのですが、もともと仮のNPCとして作ったもので、イマイチな見た目だったため作り直しました。
…が、まだイマイチなのでまた直すことになるでしょう。やれやれ。
ロボットを作り直しがてら、リグの見直しも実施しました。
というかこちらがメインです。
具体的には、キャラを①人型②四足動物③鳥④ユニークの4つに分類し、各カテゴリのキャラが同じリグを共有する形にしました。
多くのゲーム開発ではこれが基本的な作り方だと思いますが、HPHの開発初期はキャラクターの数を大体10体くらいかなーと見積もっていたので、すべて固有のリグを作って済ませる予定でした。
しかし開発が進むにつれ、夢がぷくぷくとふくらんでいき、気がついたら20体も作ることになっていました。
しかもまだ増えそうです。
そうなってくると全キャラに固有リグを作るのはさすがにAnimation BPのセットアップが面倒ですし、20体も入ればちょこちょこアニメーションも使いまわせるのではシメシメ、などと考え今回の見直しとなりました。
まずはロボットに使うべく、人型リグから。
スクラッチから作るのは(リグだけに)骨なので、Rigifyを使います。
RigifyはBlender公式のアドオンで、リグのプリセットとしては一番のお気に入りですが、構造の問題でUE5に持っていく時に余計なボーンが大量についてきてしまうのがネックでした。
どうにかできないものかと思い調べたところ、GameRigという素晴らしいアドオンを見つけました。
このアドオンを使うとワンクリックで必要なボーンだけのリグを生成してくれますワーイ

ところでこのアドオンの作者Armin Halac、どこかで聞いたことがあると思ったらBlenderリギングで有名な本の著者でした。
僕は普段3D関連の本は一切買いませんが(Youtubeでいい)、これは唯一購入した本で、勉強になりました。
おすすめ。
そんなわけでこれから他のタイプも順次制作していきます。
●MegaPlants
5.7にMegaPlantsが追加されました。
実験機能+MacというUE5の最悪の組み合わせにも関わらず、致命的なバグがほぼない優等生な機能です。
これがどのようにハッチポッチハウスに関連するのかというと、主に庭の木に使いたいわけです。

しばらく前に木の原型モデルは完成していて、あとは枝をPCGで配置するだけだったのですが、風エフェクトをどうしようか悩んでいました。
WPOもいいけどパフォーマンス悪いし、なによりライティングがイマイチなので困っていました。
そこに現れたこの新機能。渡りに船、棚からぼたもち、ハッチポッチにメガプランツ。
スタイルが合うように枝や葉っぱのパーツを新調すれば、とても良い木ができそうです。
ただ一つリスキーなのは、UEをアップデートしなければならないことです。
少なくとも5.8にならないとベータ版に移行しないですし、この段階で2つもメジャーアップデートを挟むのはかなり怖いです。
もちろんテストをしつつ慎重に進めていきますが、なんとか導入したいですね。
●そのほか
さて、昨年12月に発表されたEpic MegaGrantsの結果ですが…
落選しました🥲
当選した夢も4回くらい見たんですが、おかしいですね。
今回はけっこう自信があったので、ちゃんと反省しました。
以下反省レポート。
反省反省。
【反省①:自分についての情報を公開していない】
これは盲点でしたが、すごく重要なポイントでしょう。
お金を出す側からすれば、持ち逃げされる可能性だってあるわけだし、どういう人間か分からないと信用できません。
僕も一応顔写真と本名は公開していますが、今はAIでプロフィール画像も作れるますからね タメイキ
次回の提出では(懲りない)、もう少し自分についての情報を盛り込もうと思います。
【反省②:楽しさを伝えきれていない】
ゲーム自体の欠点ももちろん考えました。
一番の問題は、うーん、楽しくないことですね。
おいおい。
いや、僕目線ではかなりワクワクするゲームになっていたのですが、客観的にプレイしてみるとできることがほぼないただのモデルルーム見学ゲームになっていました。
自分の中では楽しい要素がたくさんあることを想像しているので、その補正により楽しく思えただけのようです。
反省反省。
楽しい要素を詰め込むことを最優先課題の一つに設定しました。
【反省③:アマチュア資料】
今更ながら、パブリッシャー向け資料の作り方をリサーチしました。
それで分かったのは、今まで提出してきた資料が全くプロフェッショナルなものではなかったこと。
穴があったらすっぽり全身入りたくなるような資料です。
リサーチをする中でパブリッシャーの知りたい内容もよく分かったので、現在新たな資料を作成中です。
そのうち公開したと思っています。
反省終了。
ではそれを踏まえて今後の予定を見ていきましょう。
●今後の予定
MegaGrantsの結果の反省により、短期的な計画が大きく変更され、ゲーム的に楽しい要素を盛り込んだプレイデモの制作が優先課題となりました。
ボスバトルやクエストなどを改善し、短くても始まりと終わりのある形にします。
それからピッチ資料の制作も並行して進めていきます。
そんなわけで初の合併号でした。
書くのにかなり時間がかかってしまいましたが、無事掲載できてよかったです。
読んでいただきありがとうございました。また次号!